脳神経外科
脳の働き
脳は中枢神経と呼ばれ、多数の神経細胞および神経線維が集まってできています。
目や耳といった「感覚受容器」で感じた感覚を情報として脳に伝えたり、あるいは脳から出た命令に従って「運動受容器」である手や足などの筋肉を動かしたりしています。
さらにはこれらの情報をさらに高等な命令に変換する機能(高次脳機能:「認知」「言語」「記憶」「行為・遂行」「情動・人格」など)もあります。
これらの機能をつかさどる領域が大脳のいろいろな部分に局在しています。
このような症状はありませんか?
- 手足のしびれや動かしにくさがある、手足が震える
- 座った時に傾いている感じがある
- 顔や口がゆがんでいる感じがある
- しゃべりづらい、言葉が出しにくい
- 頭が痛い
- めまいがする(ふわふわした感じがする、目が回る感じがするなど)
- ボーっとしている感じがある、物忘れが増えている
- 一過性に目が見えにくくなった、視野が狭い
- 特に症状はないが強く頭を打撲した など
↓脳の病気が起こっている可能性があり、検査をお勧めします
脳の検査はどうやってやるの?
頭部MRI
磁気と電磁波を用いて頭の中の構造・病変をみる装置です。
急性期の脳梗塞や小さな病変、脳血管の形状を調べるのに適しています。
検査時間が30分ほどかかることや体の中にペースメーカやシャントなどの機械が埋め込まれていると撮影できないことがあるため注意が必要です。
頭部CT
レントゲン検査と同じようにX線を利用した検査です。
観察したい箇所の全周からX線を照射して体内の立体的な断面図を作成します。
1分程度の短時間で検査が終わり、急性期の出血や骨折の評価に適しています。
いろいろな脳の病気
脳梗塞
脳の血管が何らかの原因で詰まって起こります。
血液がいかなくなった脳は壊死を起こし、さまざまな神経障害が生じます。
発症からの時間が短い場合には、飯塚病院などの大きな病院で血栓溶解療法(発症から4.5時間以内が原則)や血栓回収療法(発症から6-8時間以内)が行えることがあるため、「おかしいな」と思ったらすぐに受診することをお勧めします。
脳出血
脳の中を走る細い血管が突然破れて出血を起こし、周囲の脳を壊したり圧迫したりして様々な神経障害が生じます。
出血の量や部位によっては手術が必要になることがあります。その場合は飯塚病院などの大きな病院に搬送することになります。
くも膜下出血
脳の表面を覆う軟膜とくも膜の隙間を走行する脳血管に「動脈瘤」と呼ばれる血管のこぶができ、それが破れてしまうことで起こります。
突然バットで殴られたような激しい頭痛や吐き気・嘔吐を伴うことが多く、発症した場合、最善の治療をおこなったとしても1/3が死亡し、1/3に後遺症が残ってしまう危険な病気です。
治療には開頭クリッピング術や血管内コイル塞栓術が必要なため、飯塚病院のような大きな病院に搬送します。
慢性硬膜下血腫
脳と頭蓋骨の間にある硬膜という呼ばれる膜の内側にゆっくりと血液がたまることで起こります。
頭を打ったりした1-2か月後に起こることが多く、脳の委縮が強い方(高齢者やアルコール多飲者)に起こりやすい病気です。頭部外傷後は症状変動に注意しながら経過を見る必要があります。
頭痛や吐き気、手足の動かしにくさやしゃべりにくさ、物忘れや意欲の低下・見当識障害など認知症に似た症状が出ることもあります。
穿頭血腫除去術と呼ばれる局所麻酔の手術で血を抜くと治る病気です。飯塚病院のような手術のできる病院に紹介をします。